井戸水は飲料水にはできません

その井戸水は安全ですか?

今だに水の需要を賄う井戸水の存在

各戸が自力で水源を確保する井戸水。昔から使われる井戸が、東京でも下町に行くと残っていたりします。

手押しポンプでギッコンバッタンと上下に振ると、ドバドバと水があふれ出てきます。夏にスイカやトマトをバケツで冷やした経験のある人も多いのではないでしょうか?

また、自治体の公営水道が引かれる前から生活されていた地域では、住宅建設と井戸掘りはセットでなされており、各戸に井戸ポンプを使用していました。

公営水道が引かれた現代でも水道に接続せずに井戸水を使用する世帯が多く残っています。

井戸でスイカを冷やす。夏が来た!
井戸でスイカを冷やす。夏が来た!

下水道は普及している地域の方が珍しい

下水道はもっと普及が遅れています。新築住宅で汲み取りのポッチャントイレを選択する人はいないので、

水洗トイレ→浄化槽→道路の排水溝へ放流→自然に浸透→残りはどぶ川へ(どぶ川でも浸透)

という経路で排水されています。

うんこ水→浄化槽→どぶ(道路脇の排水路)→どぶ川
うんこ水→浄化槽→どぶ(道路脇の排水路)→どぶ川

下水道が普及している地域でも完全ではない

下水道が普及している地域でも、雨水と下水を同じパイプで下水処理場へ送る『合流式』下水道がほとんどで、大雨が降るとマンホールから吹き上がるウンコ水がニュースで報道されています。

令和元年の台風15号、19号の災害で、川崎市のタワーマンション水没事件で、大都市でもほとんどが『合流式』の下水道であり同じように洪水になった場合は、そこら中にウンコ水があふれていることが世に知らしめられました。

この不衛生なウンコ水が、地面より浸透していくことになります。

洪水の街。あの水にはありとあらゆる汚水とうんこ水が混じっている状態
洪水の街。あの水にはありとあらゆる汚水とうんこ水が混じっている状態

家庭用の井戸は不衛生な状態

家庭用の井戸は深さがせいぜい20~30メートルで出る水を使います。自宅や近隣の汚水が浸透して地下水脈に合流したものを吸い上げる井戸です。

下水道の汚水ます。洪水時はここから汚水が噴水のように吹き出す
下水道の汚水ます。洪水時はここから汚水が噴水のように吹き出す

雨の多い梅雨から夏には地下水位が高く、雨の少ない冬季は地下水位が低くなります。

冬季はより遠くからの不衛生な地下水脈から、水をくみ上げている状態になります。

汲み上げた後の殺菌・消毒処理は信用できない

自家用の井戸ポンプは、使用者の責任で滅菌装置を設置して衛生的に飲める状態にするのが使用の前提です。このポンプを毎日毎日、正常に作動しているか確認して飲料水の安全を確保する必要があります。

途方に暮れそうな洪水のあと。どうやって衛生を取り戻すかが問われる
途方に暮れそうな洪水のあと。どうやって衛生を取り戻すかが問われる

殺菌消毒剤の量が充分にあるか、また正常に投入されているのかを自分の責任で行わないといけないのです。

はっきり言って、誰もやっていないと思います。

宮城県では井戸水が原因の食中毒で乳児が死亡するいたましい事故がありました

『平成 18 年 9 月に県内で 1ヶ月齢の乳児がボツリヌス症に罹患するという事例が発生した。調査の結果,自宅で飲用に使われている井戸水が原因として疑われたことから,新たなボツリヌス菌の分離方法で検査したところ菌を分離することに成功した。以上から,本事例は感染原因が井戸水であるという国内外でも初めての極めて特異的なケースであることが判明した。』

*宮城県保健環境センター年報 第 25 号より引用

ボツリヌス菌とは

  • ウエルシュ菌と同じく熱に強く、泥池などの酸素の少ない環境中に存在します。
  • この菌が出す毒素は一般の食中毒菌毒素と異なり猛毒で、神経に作用するため微量で命を失ってしまうことがあります
  • 過去には、毒素で汚染された「辛子レンコン」を食べた36人のうち11人もの人が死亡した事件がありました

宮城県ではホームページで注意を呼び掛けています。

宮城県では井戸水の注意喚起をしています。
宮城県では井戸水の注意喚起をしています。

●井戸水は煮沸すれば大丈夫だと思っていませんか??    矢印 下

ウエルシュ菌やボツリヌスス菌などは加熱しても簡単には死にません。宮城県で井戸水を原因とする乳児ボツリヌス食中毒が発生しています(平成18年)。

井戸水を原因とする食中毒の発生を予防するには,次のことが大切です。

1:上水道が引かれている区域の飲用水は,水道水を使用しましょう!

2:周囲の環境中に井戸水を汚染するようなものがないか確認しましょう!

3:井戸水の水質検査(年1回)をしましょう!

4:井戸水は消毒設備を設け,点検も行い消毒した水を使用しましょう!

 

 特に高齢者の方,小さなお子さん,身体の弱い方々が飲用する場合には注意が必要です!

*宮城県のHPより引用しました

井戸水とピロリ菌との因果関係

『現代の日本人のピロリ菌感染率は年齢によって差があり、20歳代では10%と低いのですが、60歳以上の方の感染率は約60~70%と非常に高いことが知られています。なぜでしょう?

ピロリ菌はとても特殊な菌で、ヒトの胃にしかすむことができません。胃の中のピロリ菌は、便や嘔吐(おうと)した物の中に混じって、体外に出て、それが他の人の口に入ることで、伝染します。この際、多くの場合、5歳以下の子どもに感染します。子どもの胃は胃酸が少なく、免疫も発達していないことから、ピロリ菌が簡単に胃にすみ着いてしまうと考えられています。

つまり、ピロリ菌の感染は子どもの頃に起こるので、その時の衛生状況がとても大切です具体的には、子どもの頃に井戸水を飲んでくみ取り式トイレを使うような生活の場合はピロリ菌感染率が高く、上下水道と水洗トイレが普及するにつれて感染率は低下することになります。そのため、日本の高齢者ではピロリ菌感染率が高く、若年者では低いのです。

また興味深いことに、ピロリ菌に感染している日本の子どもを調べると、ほとんどの場合、両親のどちらかが感染しています。このことは、家族にピロリ菌感染者がいると、子どもに伝染してしまう可能性があるということです。

ピロリ菌は一度感染すると、数十年にわたって人間の胃にすみ続け、その間、持続的に胃に炎症を起こし、慢性胃炎の原因となり、ついには胃潰瘍(かいよう)・十二指腸潰瘍や胃がんを起こします

自分のためだけでなく、愛する子どもさんやお孫さんにピロリ菌をうつさないためにも、ピロリ菌を調べましょう。』

*朝日新聞デジタルの記事より引用しました

ご自宅の井戸に滅菌機はついていますか?

滅菌機とは、井戸ポンプに連動してくみ上げた水を消毒する装置です。次亜塩素酸(公営水道でも使用の消毒薬。ハイターですね)を使うもの、オゾンや紫外線を使うものなどいろんな装置があります。

いろいろなタイプがある井戸水滅菌機
いろいろなタイプがある井戸水滅菌機*グーグル検索画面より

飲食店では設置が義務付けられており、当たり前ですが、滅菌機が無ければ営業できません。

しかし、ご自宅ではどうでしょうか?親世代が建築した家に同居していたり、中古住宅を買ったり賃借しているような場合、ぜひ確認をしてください。

私の経験から申し上げますと、井戸をお使いのご家庭で滅菌機がある家は見たことがありません。

一番上の写真が、よくある家庭用ポンプですが、ほとんどこれだけです。このポンプを買って設置した本人でなければ、わからない。ご家族はこの機械に当然に滅菌する装置も付いているもんだと思いますよね。でも、滅菌機はこの機械とは別物なのです。

滅菌機が付いてない井戸ポンプの水を飲むと

川の水をそのまま飲んでいるのと同じです。濁っていたり、ゴミが浮いていないだけマシな程度です。大腸菌やボツリヌス菌などの菌やウイルス、ピロリ菌などの害がストレートに体に及ぶと思われます。

私は子供の頃より『おなかが弱い子』でした。年がら年中おなかが痛く、学校の机の中に正露丸のマイボトルを置いていたものです。

今ならその原因がわかります。そうです。私の家の井戸ポンプには滅菌機など付いていませんでした。(そして当時は汲み取りトイレ)

隣の家の幼馴染の兄弟は、赤痢にり患して入院騒ぎになりました。(お隣は水洗トイレだったが浄化槽→道路の排水溝へ排水していた)

当時の親世代は『井戸水は消毒臭くないからおいしい』といっておりました。今だから言おう。そんなものを子供に飲ませては駄目だ!!


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